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バスドラの詰め物のお話

バスドラの、詰め物のお話です。
ミュートのことです(笑)。

 

バスドラの中に、座布団とか入ってることあるじゃないですか。
うちの店も、バスドラの中には座布団を入れています。 

入れた理由は、単純です。
バスドラをミュートするために、みんながそうやっているから、です。
自分でこうするべきとか考えた訳ではなく、みんながそうしているから自分もそうした、というだけの話です。

 

が、この座布団を入れるなりしてバスドラをミュートすることは、とても合理的なことなんですね。

普通のドラムセットは、座布団じゃないにせよ、まずバスドラはミュートされています。
それは単純に、音の良し悪しを考えたらそうなる、ということです。

 

バスドラはミュートしましょう

バスドラはね、ミュートした方が音がいいんですよ!!

と、みんなが思うはずなんですけど、ドラマーさんの中には、ミュートしたくない人がいるんですね。

 

先日、何とかパウエルさんが大好きなドラマーさんばかりの、アマチュアバンドのブッキングライブを観に行ったのです。
何とかパウエルさんて、もう死んじゃった昔の人です。

 

その何とかパウエルさんは、きっとバスドラをミュートをしていなかったんでしょうね。
そのアマチュアイベントのドラマーさんはみなさんご自身のドラムセットを持ち込みだったのですが、ものの見事とに全部のバスドラがミュートなしでした。

 

おかげで、音が変でした(笑)。

 

バスドラって、ドスッドスッ、て小気味のいい音するのを想像すると思うんです。

でもそのイベントの時のバスドラはみんな、ドスッ、と同時に、ボヨヨ〜ン、って不必要な余韻が出るんですよ。
ミュートしないと、ボヨヨ〜ン、が鳴ってしまうんですね。

 

昔はね、今ほどPAのシステムが発達していなかった訳です。

音をマイクで拾って電気的に増幅、なんてことが今ほど容易にはできなかった。
だから、バスドラも、なるべくアコースティックなバスドラの時点で大きな音を出す必要があった。

だからミュートなんてしている場合じゃなかったんですね。
ボヨヨ〜ンって音がしても、それが耳障りだということよりも、音自体が客席に聞こえる様にすることが優先されていたんです。

 

でも今は、マイクで音を増幅するのが当たり前、小さく叩いたバスドラの音だって、コンサートホールの一番後ろの席に届かせることができます。

だから、バスドラの音をアコースティックの時点で最大限にする必要がないんです。

 

何とかパウエルさんって、昔の人ではありますが、ご本人がミュージシャンとして活躍していた時代はPAシステムもすでに確立されていて、今とほぼ同じ様な性能を持ってコンサートができていたはずです。

でも、多分ご本人は、バスドラに詰め物をしていなかったのでしょう。

それは、彼がミュージシャンに憧れていたドラムキッヅだった時代は、彼のドラムヒーロー達は詰め物をしていなかったからです。
そのヒーローたちの時代はPAシステムが未成熟だったから、ミュートなんてしている場合じゃなかった。

だから、憧れのヒーローがやっていないのだから、自分もやらない、っていうことだったのでしょう。
そして、件のアマチュアドラマーさん達も、構造は全く一緒(笑)。
何とかパウエルさんがバスドラをミュートしていないんだから、自分もしない。
何とかパウエルさんの状態を、マネしたい…。

 

憧れるのはいいんだけど

まぁ、何とかパウエルさんは超絶有名なドラムヒーローです。
ボヨヨ〜ンって変な音が同時に鳴っていても、腕利きのPAオペレーターがうまく処理していたかも知れませんね。

でも何とかパウエルさん好きのアマチュアのライブだと、ボヨヨ〜ンは全く処理されていないので、会場で聞いててものすごく気になります(笑)。

 

それでもいいんだ、っていうのもアリですけど、みなさんはバスドラはちゃんミュートしましょう!!

あ〜、でも、これって私がPAオペレーターだから「変な音」が気になるだけかも知れません。
というか、ズバリそういうことでしょう(笑)。

普通の人は、聞いててボヨヨ〜ンが気にならない可能性の方が高いですね。
気にならないというより、気づかないでしょう。

 

ってね、この論の展開、ギターソロが聞こえない云々の記事と同じ感じになりました(苦笑)。
基本、自分のヒーローがそうだったから自分もそうする、は、間違いです。
環境や条件が同じじゃないのだから…。

とはいえ、音云々よりも「やりたいからやる」のですよね。

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